卒業生たちの座談会

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IKEN × 国家資格鍼灸師編名古屋医健スポーツ専門学校

好きを仕事にする第一歩。
それは国家試験合格。

MEDICAL

それぞれの道で活躍する卒業生 
国家試験までの学生生活を今振り返る

卒業生たちの座談会

名古屋医健スポーツ専門学校を卒業して、鍼灸師として活躍するお二人と、鍼灸科の先生お二方にお集まりいただいています。卒業生のお二人は今現在どのような仕事をされているのでしょう?

三浦

愛知県内で3店舗を持つ、あいりー骨盤整体院で鍼灸治療を中心に骨盤や猫背の矯正、産後のケア、スポーツのパフォーマンスアップなど、様々な症状に対応する施術を行なっています。患者様は、産後の女性から、ご高齢の方々、オフィスワーカー、スポーツをする方など幅広い世代のため、患者様の立場に合わせて治療や予防法などのアドバイスをしています。

村松

鍼灸と整骨を行うアイキュア鍼灸整骨院で、2018年から働いています。私の勤めている院では唯一の鍼灸師として、鍼灸治療から骨盤矯正など、様々な身体の痛みに対する施術を行なっています。会社は全国に多店舗展開をしており、多くがオフィス街に立地していることもあり、会社勤めの方を対象にした治療を多く行なっています。私が勤める東京都内の店舗でも、夜8時までの営業時間にお仕事終わりの方が多く来院されています。

就職を決める時のこだわりや軸などのポイントはありましたか?

三浦

2019年に名古屋医健を卒業して、あいりー骨盤整体院で勤めることとなりましたが、実は小学生の頃から野球によるケガの治療で、今の勤め先の代表が別の接骨院の先生だった頃から治療を受けていました。独立されて今の治療院の求人を出されていることを知り、見学へ行く機会をいただいたところ、すぐに面接となり、晴れて採用となりました。その人をよく知り、人としての魅力にも惹かれたことが就職を決める上で大きな要因となりました。

髙橋先生

三浦さんは、就職が決まるまで、じっくり慎重に活動してましたよね。授業や試験でもコツコツ積み重ねながら勉強するタイプでしたので、私たち教員もなるべく見守りながら就職指導をしていました。

村松

私の場合、大きく影響したのは、学内で行われる合同企業説明会で名古屋医健の卒業生が活躍しているという話を聞いた点です。
初めは美容鍼灸に興味があったのですが、医健の先生方と面談する中で、あまり限定せずに会社選びをするようにアドバイスを受け、今の勤め先の会社へ話を聞きに行きました。すると、企業理念にとても共感でき、私もこの会社の治療院で大きく成長できると感じました。
美容分野からスポーツ分野まで様々な治療の受け皿を用意していることが、決め手となりました。

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梅村先生

村松さんと就職の面談をしている中で、美容鍼灸の強い会社への就職を考えているということでしたが、本人の適性や働き方を考え、幅広い治療を提供している会社をすすめました。
個人が経営する治療院から、企業が運営する院。鍼灸治療に特化した院や、整骨、美容まで鍼灸師が活躍する現場は様々ありますので、その人の適性が大事だと思っています。

髙橋先生

お二人の就職活動の仕方が違うように、私たちもその人にあった職場選びのサポートをしています。働く場所や治療の方法、患者様との接し方、職場の考え方がどういったものなのか、それらを就職活動では大切にしてほしいと伝えています。
鍼灸師として仕事をしていく上で、今、大切にしていることはありますか?

三浦

治療をする前に、目の前の患者様が何を求めて来院され、どんな治療を必要とされているのか、しっかり考えるということです。鍼灸師として自分が何をすべきか、考える治療を常に心掛けるようにしています。

村松

私が大切にしていることは、患者様に寄り添うことです。私の考える「寄り添う」とは、患者様一人ひとりの悩みを聞いて歩み寄り、次に鍼灸師である私が適切なアプローチをすることで、患者様の意に添った治療を考えることです。

鍼灸師の土台となる国家資格
教職員も同級生も、みんなで取り組む
それが、国家試験の合格対策

鍼灸師として患者様に寄り添う姿は、先生方が学生に接する姿に近いのかもしれませんね。お二人は在学中、勉強や実習で壁にぶつかることもあったと思いますが、どのように乗り越えていかれましたか?

三浦

3年生の春に受けた模擬試験で思ったような成績を出すことができませんでした。夏の国家試験対策合宿が始まる前に、先生から指導を受けて、「このままではいけない」と奮い立ち、日々の勉強を積み重ねていくことで結果につながると信じ、勉強を続けていきました。また、定期的に先生と面談があり、「焦ることなく、今の勉強の仕方で続けていけば良いよ」と言っていただけ、安心して勉強することができました。

髙橋先生

3年生になると勉強量が増えて、中には不安に思う学生もいますので、定期面談はより綿密に行うようになります。勉強法の確立や自己管理など、色んな角度から国家試験合格に向けて、私たち教員と一緒に考えていきます。三浦さんは、自己管理ができていたので、「勉強もコツコツ続けていけば、必ず合格できる」と話しましたね。

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村松

1年生の始めの頃は鍼灸の勉強が難しく感じることも多く、なかなか積極的に取り組むことができない時期がありました。周りの友達が真剣に勉強する姿を見て、私も少しずつ一緒になって学ぶようになり、休み時間の使い方も変わっていきました。それまでは楽しく喋っていることの多かった友達と、どこへ行くにも国家試験対策の参考書を持って、問題を出し合いながら過ごすようになりました。授業とは違った形で頭に入るようになり、苦手意識のあった分野なども、自分が問題を出すことで、段々と理解が深まっていきました。
それでも実技となると、覚えたはず問診の仕方ができない、適切な治療の方法を選ぶことができないなど、自分自身の技量に不安を感じることもありました。けれども、クラスの友達が話を聞いてくれたり、先生からは実技対策や実習で使える専門書を教えていただいたりするなど、周りの手厚いサポートを受けながら、実技の腕も上げていくことができました。

梅村先生

特に試験前になると、クラスやグループの結束が高まることが多く、授業以外でも勉強会を行っています。私たち教員も、そういったグループワークをサポートしたり、その他にも個人に合わせた成績の分析を行い、苦手分野の強化策や成績の推移、合格の見込みなどをまとめ、学生本人だけでなく、保護者にも見てもらうようにしています。

そんなたくさんのサポートを受けながら迎えた試験当日。どのような想いで試験に挑みましたか?

村松

試験当日は、家の近い友達と集まって会場へ向かいました。普段なら笑って話す仲ですが、会場へ向かう車の中は、とても話すような雰囲気ではありませんでした。けれど、会場に着いて、みんなの顔を見ると安心し、「これだけの勉強を今日までやってきたんだから、きっと大丈夫!」という気持ちにもなりました。私たちの年は、試験が非常に難しかったようで、終了直後は不合格かもしれないという不安に襲われました。試験後の食事会では、なるべく試験内容に触れないように、楽しく食事に行こうとしましたが、結局みんなで答え合わせをすることになってしまうほど、みんなが不安だったのだと思います。合格発表の当日は、自分の番号をスマホで確認するのですが、何度も拡大して見てしまうほど、友達と共に合格の喜びでいっぱいになりました。

梅村先生

試験当日までとにかく緊張をさせないように、声を掛けることを徹底していました。教員も会場へ足を運んで学生が無事に来ているか、顔色を見ながら普段通りの接し方で話をしました。そして、試験の合間にある休憩時間でも、出来具合を過度に気にしないように、次の科目へ向けての声掛けをするようにしていました。

三浦

試験前日の夜にSNSに自分の緊張する様子を上げたところ、クラスの友達が見てくれていて、緊張をほぐしてくれるような電話をくれました。みんなの声を聞いて、国家試験合格をめざす仲間の一体感を感じると共に、リラックスして眠ることができました。そのおかげで当日は、“自分が合格できなければ、きっとみんなも合格できない”と思えました。それまで学内の模擬試験に苦戦していましたが、当日の試験は気持ちに余裕を持って解き進めることができたと思います。

髙橋先生

安心して試験に臨めるよう、私も声を掛けていました。クラスのみんなで、学生同士が励まし合いながら、緊張をほぐし合いながら、コミュニケーションをとっている姿を見て、私自身が安心して見守れたように思います。

先生や学生同士の結束が強い
名古屋医健だからこそ
つらい時も原動力になる

名古屋医健で鍼灸師の勉強ができて良かったなと思うことはありますか?

村松

やはり、人ですね。教員の先生方や職員の方が優しく声を掛けてくれるだけでなく、進路に困った時や勉強がつらい時になど、たくさん相談に乗っていただきました。同じ国家資格を目指すクラスメイトと出会えたことは今も心強く感じています。職場の近い友達とは、今も定期的に集まって、近況を報告し合っています。3年間、学ぶ時間を共に過ごしてきた分、お互いのことを理解し合っています。働き出しても支え合える仲間や先生は、私にとってはとても大切な存在です。

梅村先生

実は、先日も名古屋医健へ遊びに来てくれましたよね。学校にある附属治療院へ治療を受けに来てくれました。その時に、働く中で生まれる悩みや、個々の症状を持った患者様への治療やアプローチなど、働き出した鍼灸師だからこそ共感できる話をたっぷり話していました。

三浦

学校が見守ってくれているという安心感が、今となってはとても貴重だったと思います。決められた授業や実習などの他に、幅広く学ぶ機会を作ってくださいました。自分たちが“こうしたい”と思うことを、しっかりサポートをしてくれながら、先生方はどこかで必ず見守ってくれていました。また、同じ指導であっても、言われてくじける人もいれば、奮い立つ人もいると思います。そういった、その人に合わせた指導をしてくれていたことは、医健で学ぶことへの安心感につながりました。

鍼灸の実際の治療は、
教科書通りではない
だからこそ、知識を得て、技術を磨き、経験を積むことが大切

鍼灸師としてのやりがいはなんですか?

三浦

身体の不調や痛み、いろいろな身体の異常に対して、治療の選択肢の一つに鍼と灸があることは「治療家」の立場としては、大きな強みになると思います。さらに、鍼灸でアプローチする不妊治療や美容鍼も行えるということは、幅広い人たちに治療を提供できるということでもあります。治療家として鍼灸の技術を持つことは、可能性の拡がりを感じることができます。

卒業生たちの座談会
卒業生たちの座談会

村松

鍼灸整骨院では、肩や腰が痛いことが原因で来院されますが、患者様の話を聞いていくと、実は便秘持ちであったり、冷え性だったりします。そうすると、それに対するアプローチをしていきましょうと提案ができます。
鍼灸を使って、身体の様々な困りごとを治療できること、自信を持って鍼と灸を提案できることは、鍼灸師で良かったと思いますね。教科書通りの答えがあるわけではないからこそ、自分で考えて患者様を良くしていくことが鍼灸師の魅力だと、日々感じながら治療にあたっています。

これから鍼灸師を目指すみなさんに一言お願いします。

梅村先生

我々ができることは、細い鍼と小さな灸を使って治療にあたることです。
ですが、鍼灸の仕事は、人の体を劇的に変えるのではなく、身体が変化していくことで笑顔になり、健康であることで幸せを感じてもらうものだと思っています。鍼と灸で、肩や腰を診るだけでなく、人まで見る。つまり、その人のライフプランを考えることで「ありがとう」がもらえる仕事です。鍼灸による少しの刺激で、人生を劇的に変えることができる仕事だと思います。

髙橋先生

鍼灸師は、社会一般でよく知られた職業ではないかもしれません。しかし、自分の腕で治療にあたる面白みや、教科書通りではない治療の奥深さがあるなど、人に関わる仕事としては魅力にあふれる職業です。もちろん、教科書で学ぶことは重要ですし、その知識がなければ治療にもあたれません。ですが、教科書には載っていないケースや対応に迫られることが日常的に起こり得ます。それらは、人によって身体が異なるからです。資格取得後、実際に社会へ出てから、それらを知ることにはなりますが、一人ひとりの異なる身体を診ることは、想像以上にやりがいのある仕事です。また、近年は西洋医学も東洋医学も一緒になって考えていこうという風潮があります。妊婦の方は、何か症状があっても薬が飲めない方もいます。そのケアとなる治療を鍼灸で行なえば、身体も楽になるというアプローチができます。身体が少しでも楽になれば、心も楽になります。鍼灸はそういった、人にやすらぎを与えることのできる魅力的な仕事だと思います。

三浦

鍼灸師は実際に働くことで、より働き甲斐を感じられる職業です。患者様から、「ここが痛いから治してほしい」と言われれば、それまでの知識や経験をすべて活用して、自分で考え、ここだという箇所に鍼を打つ。そうすると、変化を感じてもらえて、患者様も喜び、自分にも自信が沸いてきます。患者様の身体の変化にやりがいを感じる仕事だと思います。

村松

鍼灸師として社会にいる今だからこそ思うことは、在学中からしっかり勉強しておいてほしいということです。国家資格を取得し、就職をして、ようやく長かった勉強が終わったと思っていましたが、就職してからが本当の意味でのスタートだと感じることも多くありました。この内容は必要ないのではないかと疑うようなことも、中にはあるかもしれません。でも、社会に出てみると、その内容が必要となるケースに直面する時があります。さらに言えば、授業で習ったことや実習で学んだことが全てではありませんし、学んだ通りに当てはまる方が少ないくらいです。鍼灸治療の良さも、知っている人がまだまだ少ないと感じます。だからこそ、鍼灸治療の素晴らしさをもっと多くの人に知ってほしいと思いながら働いてます。このような気持ちを持っている鍼灸師が増えて、鍼灸治療が今後さらに広がっていけばと思っています。鍼灸師をめざす方々にはたくさん勉強し、素敵な鍼灸師になってほしいです!

座談会メンバー紹介

  • はり師・きゅう師 三浦 潤也 さん

    はり師・きゅう師

    三浦 潤也 さん

    あいりー骨盤整体院 勤務
    愛知県 東邦高等学校 出身
    2019年 名古屋医健スポーツ専門学校 卒業

  • はり師・きゅう師 村松 桃名 さん

    はり師・きゅう師

    村松 桃名 さん

    iCureクノロジー株式会社 勤務
    愛知県 至学館高等学校 出身
    2018年 名古屋医健スポーツ専門学校 卒業

  • はり師・きゅう師 梅村 勇介 先生

    はり師・きゅう師

    梅村 勇介 先生

    名古屋医健スポーツ専門学校 鍼灸科 教員

  • はり師・きゅう師 髙橋 菜摘 先生

    はり師・きゅう師

    髙橋 菜摘 先生

    名古屋医健スポーツ専門学校 鍼灸科 教員

2019年9月時点の取材内容にて掲載