食分野

フードコーディネーターとは?資格の費用・難易度・勉強方法を紹介


「フードコーディネーターってなに?」
「フードコーディネーターでどうやったらなれるの?」

食のプロデューサーともいえるフードコーディネーターに憧れているものの、目指し方や資格の取り方、勉強方法などわからない人も多いのではないでしょうか。

本記事ではフードコーディネーターの資格の内容から勉強方法まで詳しく紹介していきます。

さらには取得するメリットや取得することでできるようになることについてもあわせて見ていきます。
フードコーディネーターに興味のある人はぜひ参考にしてください!

フードコーディネーターとは?


フードコーディネーターは、特定非営利活動法人日本フードコーディネーター協会が運営する民間資格です。

協会によるとフードコーディネーターは、『新しい食の「ブランド」「トレンド」を創る食の「開発」「演出」「運営」のクリエーター』と定義されています。

フードコーディネーターの資格を取得することで下記のとおり、さまざまな活動を行えます。

  • メニュー・レシピ開発
  • 店舗やメニューの演出
  • 撮影用の料理作成・スタイリング
  • 自身での店舗・料理教室の運営

このように食の専門家として活動できるのが、フードコーディネーターです。

フードコーディネーターは何ができる?


フードコーディネーターの資格を取得することでできることは主に3分野です。

  • 食の開発
  • 食の演出
  • 食の運営

それぞれ詳しく見ていきましょう。

食の開発

フードコーディネーターは、食の開発に携わることができます。
たとえば下記のような開発ができるようになります。

  • 食品メーカーの商品
  • 飲食店のメニュー
  • 食の新サービス
  • 観光業の食プログラム
  • 食育プログラム・カリキュラム

食の開発というと、メニューや商品開発のイメージが強いかもしれませんが、フードコーディネーターでできることはそれだけにとどまりません。

食とビジネスの知見を持ち合わせるからこそ、新しい食サービスや教育カリキュラムの開発といった商品開発にとどまらない関わり方が可能です。

食の演出

フードコーディネーターは、食を演出できます。
たとえば、下記のような演出に関われます。

  • 飲食店の空間プロデュース
  • 食関係の記事作成
  • 食品・飲食店のパブリシティ
  • 食品の売り方・陳列の提案

テレビや雑誌で食を美しく、消費者に魅力的に見せるような仕事もフードコーディネーターに求められる仕事のひとつです。
どのように担当する飲食店・商品を魅力的に見せるか、といった「演出」がフードコーディネーターでできることです。

食の運営

食の運営もフードコーディネーターでできることです。
たとえば、下記のような運営に携わることが可能です。

  • 料理教室
  • フードコーディネーターの育成スクール
  • 食育プログラム
  • レストランなどの新業態・運営開発

食とビジネスの知見を持ったフードコーディネーターは、自分で食に関わるビジネスの運営もできます。
このようにフードコーディネーターは食の開発から演出、運営まで幅広く食のスペシャリストとして関われます。

フードコーディネーターのランクの違いは?

フードコーディネーターの資格には3級から1級まであります。
3級から2級、1級と上がるに連れて、プロのフードコーディネーターとして認められやすくなります。
順番に見ていきましょう。

フードコーディネーター3級

フードコーディネーター3級は、いわば初級・入門の位置づけです。
3級ではフードコーディネーターとして身に着けるべき食の4分野(下記)の知識が得られます。

  • 文化
  • 科学
  • デザイン・アート
  • 経済・経営

フードコーディネーター3級は中学校卒業以上の人であれば、誰でも受験可能です。また、調理師、栄養士、管理栄養士、製菓衛生師のいずれかの資格を持っている人は「文化」「科学」が免除されます。
いわば3級はフードコーディネーターとして活躍するための入り口です。

フードコーディネーター2級

フードコーディネーター2級は、アシスタントの位置づけです。
2級ではフードビジネスに関わる下記の専門知識や企画力が身につきます。

また2級からは試験が1次と2次に分かれ、より実践的な企画力が問われます。
1次試験では、下記に関する筆記試験が行われます。

  • 食市場の動向とマーケティング
  • 商品開発
  • レストランプロデュース
  • ホスピタリティと食生活のサポート
  • 食の表現と演出
  • フードプロモーション

2次試験では下記の3分野から1つ選びオンライン講座を受講、そのうえで企画書を提出する必要があります。

  • レストランプロデュース
  • 商品開発
  • フードプロモーション

より専門的な知識に加え、ビジネスで活かすための企画力が身につくのが2級です。

フードコーディネーター1級

フードコーディネーター1級は、プロフェッショナルの位置づけです。
1級ではフードコーディネーターとして企業と関わって商品開発をしたり、店舗プロデュースをしたりといったプロとして活躍できるだけの実践的な知識と技術が備わっているかが試されます。
1級で問われるのは知識だけではなく、企画力とプレゼンテーション力です。3級や2級とは異なり、筆記試験はありません。
1級の1次試験では2級で合格した分野に関する企画書を提出します。2次試験では実際に東京で面接試験があり、企画書におけるプレゼンテーションを行います。
つまり1級の試験は、フードコーディネーターとしてプロの仕事ができるかが問われる資格試験といえるでしょう。
1級に合格することで、食の知識やビジネスでも通用する力を持っているフードコーディネーターであるといえます。

フードコーディネーターを取得するメリット


フードコーディネーターの資格を取得するメリットを3つ紹介します。

  1. 1.食に関する知識を身につけられる
  2. 2.ビジネスに関する知識も身につけられる
  3. 3.食に関する仕事ができる

ひとつずつ見ていきましょう。

食に関する知識を身につけられる

フードコーディネーターを取得することで、食に関する知識を身につけられます。
フードコーディネーター3級の資格試験だけでも、下記の知識が身につきます。

  • 食文化
  • 食品・食材
  • 食の安全
  • 健康・栄養
  • 食空間の在り方
  • テーブルマナー・サービス

食の基礎的な知識からビジネスに活かせる市場動向まで、資格試験を通じて深く理解できるでしょう。

ビジネスに関する知識も身につけられる

フードコーディネーターではビジネスの知識も身につけられます。

フードコーディネーターの3級試験に合格するためには、食に関わるビジネスをする上で必要なマーケティングや財務の知識に加えて、実際にメニューを企画するために必要な原価やトレンドに関する経済・経営分野の知識も必要です。

さらに、2級・1級と進むにつれて、「プロデュースやプロモーションをどう行なうべきか」といった具体的にビジネスの場面で使えるような知識が問われます。

そのため、フードコーディネーターの資格試験を通して、食に関するビジネスの知識を身につけることができます。

食事に関する仕事ができる

フードコーディネーターを取得することで、食に関する仕事ができるようになることもあげられます。
フードコーディネーターは食の開発・演出・運営をする総合的なクリエイターです。

  • テレビや雑誌などメディアに出る料理を作る
  • メディアで紹介されるようなレシピを考案する
  • 食品メーカーやレストランでメニューの開発を行う

このように食に関する仕事に活かせるのが、フードコーディネーターです。
「食に関する仕事をしたい」と思っている方は役に立つ資格といえるでしょう。
具体的にフードコーディネーターでできることは次で説明しています。あわせてご覧ください。

フードコーディネーターが向いている人


フードコーディネーターが向いている人を紹介します。

  1. 1.食の知識を活かして仕事をしたい人
  2. 2.食の分野で自分のアイデアを活かしたい人
  3. 3.食のトレンドに対して勉強熱心な人

ひとつずつ見ていきましょう。

食の知識を活かして仕事をしたい人

食の知識を活かした仕事をしたい人にフードコーディネーターは向いています。

フードコーディネーターでは、性別や年齢、キャリアを問わず自分が持つ食の知識を活かした仕事ができます。

また食の知識が今は少なくても、食が好きでこれから食の知識を身につけて仕事にしていきたいと思っている人にもおすすめです。

食への興味関心が強い人、食の知識を生かして仕事をしたい人は、フードコーディネーターに向いているといえるでしょう。

食の分野で自分のアイデアを活かしたい人

食にかかわる分野で自分のアイデアを活かしたい人も、フードコーディネーターに向いています。

フードコーディネーターはアイデア次第でさまざまな活動ができます。

たとえば新商品の開発からレシピ本出版、料理教室の運営など、食に関わる幅広い分野で活躍できる仕事です。

食の分野で自分のアイデアを活かしたい人はフードコーディネーターに向いています。

食のトレンドに対して勉強熱心な人

フードコーディネーターに向いている人は、食のトレンドに対して勉強熱心な人です。

基本として食に関する知識や技術を備えたうえで、食のトレンドを常に追いかける勉強熱心さ、向上心が必要です。

食のトレンドや消費者が食に求めるものは移り変わりが激しく、常にアンテナを張っている必要があります。

時代や食のトレンドを常に追いかける、勉強熱心な人がフードコーディネーターには向いています。

フードコーディネーターになるには?


フードコーディネーターを名乗るために必要な資格はありません。

しかし、フードコーディネーターとして活躍できるレベルの知識を身につけている証明をするためにも資格取得をおすすめします。

フードコーディネーターの資格試験は、1級から3級までありますが、いきなり1級や2級からスタートすることはできません。3級から順に取得する必要があります。

フードコーディネーター3級の受験資格は中学校卒業以上のため、誰でもチャレンジできます。

プロのフードコーディネーターとして活躍できるレベルであることをアピールするためにも、フードコーディネーターの資格を取得するのがおすすめです。

フードコーディネーターの試験概要


フードコーディネーターの資格試験について紹介します。

  • 試験内容
  • 費用
  • 試験日程
  • 難易度・合格率

フードコーディネーターの試験内容

フードコーディネーターの試験内容を紹介します。

フードコーディネーターの試験内容
試験内容 出題分野
3級 ● CBT※コンピューターを使った試験
● 全100問(1分野25問)
● 択一式
● 120分
● 文化
● 科学
● デザイン・アート
● 経済・経営
2級1次試験 ● CBT※コンピューターを使った試験
● 全100問
● 120分
● 食市場の動向とマーケティング
● 商品開発
● レストランプロデュース
● ホスピタリティと食生活のサポート
● 食の表現と演出
● フードプロモーション
2級2次試験 ● オンライン講座受講
● 課題(企画書)提出
● レストランプロデュース
● 商品開発
● フードプロモーション
※いずれか1分野
1級1次試験 ● 企画書審査 ● レストランプロデュース
● 商品開発
● フードプロモーション
※2級認定(合格)分野
1級2次試験 ● プレゼンテーション・面接
● 東京開催
1次試験で合格となった企画書を使ったプレゼンテーション

フードコーディネーターの試験では3級、2級1次試験で食に関わる知識が必要です。
その後の試験では、実際にビジネスで使うための企画力が試されます。

いずれもフードコーディネーターとして活躍するための総合力が求められる試験内容です。

また、1級の資格試験では、2級で合格・認定済みの分野での試験になります。
つまり2級で「レストランプロデュース」で認定されている場合、1級の試験では「レストランプロデュース」の受験のみ可能です。「商品開発」での受験はできないので注意しましょう。

フードコーディネーターの費用

フードコーディネーターの受験費用と認定登録費用を紹介します。

フードコーディネーターの費用
受験費用 認定登録費用
3級 12,000円
※会員は7,000円
21,000円
2級 1次試験:12,000円
2次資格認定講座受講料:14,000円
21,000円
※専門分野2分野以降の登録は6,000円
1級 1次試験:12,000円
2次試験:16,000円
31,000円

フードコーディネーターは試験を受験するための受験料と認定登録料がかかります。

認定登録は任意ですが2級を受験するためには3級の認定資格認定登録が、1級を受験するためには2級認定登録が必要です。

さらなるレベルアップをしたいと考えているためには、認定登録費用も必要です。しっかり把握しておきましょう。

フードコーディネーターの試験の日程

フードコーディネーターの資格試験はいずれも1年に一度です。例年の試験時期を紹介します。

フードコーディネーターの試験の日程
時期
3級 11月頃
2級1次試験 6月頃
2級2次試験 8月頃
1級1次試験 9月末締切
1級2次試験 2~3月

資格試験の日程の詳細は日本フードコーディネーター協会のホームページで発表されます。必ずチェックしましょう。

フードコーディネーターの難易度・合格率

フードコーディネーターの難易度・合格率を紹介します。

フードコーディネーターの難易度・合格率
合格率 資格取得者数(2022年3月現在)
3級 未発表 約74,500名
2級1次試験 82.39%(2022年度)
2級2次試験 未発表 約2,000名
1級1次試験 未発表
1級2次試験 22.58%(2021年度) 約120名

引用:特定非営利活動法人日本フードコーディネーター協会

合格率は3級や2級1次試験までは、80%程度といわれています。

2級2次試験以降、合格率は下がり、1級合格率は23~49%です。

資格取得者数も3級では約74,500名いるのに対し、1級合格者はわずか120名と限られています。

級が上がるごとに難易度も上がるため、合格するためにはしっかりと対策する必要があるといえるでしょう。
参考:1級合格率 | 特定非営利活動法人 日本フードコーディネーター協会

フードコーディネーターの勉強方法


フードコーディネーターの資格取得のための勉強方法を紹介します。

  • 対策講座を受講する
  • 教本で独学する

それぞれ見ていきましょう。

対策講座

フードコーディネーターの資格取得のために、日本フードコーディネーター協会では級ごとに対策講座が開催されています。

対策講座の料金と特徴を紹介します。

フードコーディネーターの対策講座
講座 料金 特徴
3級試験対策講座 16,000円 3級の取得に必要となる経済・経営、文化、科学、デザイン・アートの知識がオンライン講座で学べる
2級1次試験対策講座 16,000円 専門講師が2級1次試験の出題される各分野の重要ポイントをオンライン講座で解説
1級対策講座 16,000円 1級資格でポイントとなる企画書作成の基本が学べる。東京開催

対策講座を受講することで効率的に試験のポイントを学べます。

3級、2級1次試験対策講座はオンライン講座のため、自宅のパソコンやスマートフォンで繰り返し視聴でき、試験対策として有効です。

教本とあわせて活用することで、より受験対策がはかどります。

動画で資格試験対策をしたい人におすすめです。

教本で独学する

フードコーディネーターの資格は本を使って独学で取得することもできます。
3級の資格試験に対応しているのが下記の2つです。

  • 新・フードコーディネーター教本 2022
  • 新・フードコーディネーター教本 2021

3級の教本は年度ごとに改訂されており、2022年版では経済・経営分野に「デジタル技術の進展と社会の変化」の項目が追加されました。

教本には時代やトレンドに合わせた情報が追加されるため、自分が受験する年度にあわせたテキストを選ぶといいでしょう。

2級の資格試験に対応している教本が「新・フードコーディネーター教本 2級資格認定試験対応テキスト」です。

2級の教本は2022年に全面改訂されました。2023年度の試験からは新テキストが試験に対応することとなります。

従来のテキストでは対応しないため、必ず新テキストで学習するようにしましょう。

フードコーディネーターの年収


求人サイトの「indeed」によるとフードコーディネーターの平均年収は約373万円です。
引用:indeed「日本でのフードコーディネーターの平均給与

つまりフードコーディネーターの資格を持って会社員として働く場合、日本の平均年収である433万円を下回っている現状です。

しかし、フードコーディネーターは会社に所属するだけでなく、フリーランスとして個人で活動することもできる仕事です。

そのため平均年収はあくまで会社に所属する場合であり、年収は人によって異なるといえるでしょう。

厚生労働省「令和2年分 民間給与実態統計調査

まとめ:食の専門家として活躍しましょう


フードコーディネーターは、食の開発・演出・運営と、食の広い分野で活躍できる仕事です。

しかし、フードコーディネーターの仕事だけで生活していけるのか、自分で仕事を獲得できるのか不安という人もいるのではないでしょうか。

将来フードコーディネーターとして活躍するためにも、食の幅広い知識を身につけたいと感じた人は、仙台医健・スポーツ専門学校がおすすめです。

特に第一線で活躍するプロから指導を受けられる「調理師科」や「農業テクノロジー科 農食&健康美専攻」では、フードコーディネーターに必要な知識にとどまらない幅広い食についてを学べます。

少しでも興味のある人は、無料の学校パンフレット|入学案内|仙台医健・スポーツ専門学校をご覧ください。

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