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農業に将来性はある?農業をとりまく現状や変革について紹介|業界コラム|仙台医健・スポーツ専門学校


将来の選択肢として農業に興味はあるものの、「農業で利益を上げることはできるの?」「農業の今後はどうなるのだろう?」という点に不安を感じている人もいるかもしれません。この記事では、農業の現状を紹介しつつ、農業に従事するメリット・デメリット、急成長を遂げている農業分野、若手や女性がどのように活躍しているのかといった農業の将来性に焦点を当てて解説します。

農業の現状とは

農林水産省の発表によると、本業として自営農業に従事している人は令和4年時点で122.6万人でした。その中でも65歳以上は86万人と、全体の70.1%を占めています。実際に、本業が農業の方の平均年齢は68.4歳です。また、令和4年時点で新たに農業を始めた人は45,800人で、そのうち49歳以下の若手は16,900人と半数以下の数字となっています。
この数字だけ見ると、農業をしている人の高齢化がどんどん進んでいるように見えるかもしれません。しかし、この数字は「自営業として農業をしている人」の割合です。
最近では農業界における働き方の多様化が進んでいます。自営業者ではなく、農業をする会社に雇われて農業をする人が増えてきているため、先ほどの数字だけでは見えない良い兆候があります。
参考:農業労働力に関する統計│農林水産省

日本の農業は高齢化という課題に直面しつつも、新たな雇用形態の採用によって農家を始める人が増え、所得もプラスになっていることがわかります。農業には将来性があり、農業を始めたい人にとっては、大きなチャンスがある業界と言えます。

農業の将来性

農業に関するニュースを耳にすると「将来の可能性はあるの?」と不安に思うかもしれません。現時点では、農業の将来には課題も多いですが、ポジティブな見通しも多く存在します。

持続可能な農業へのシフトが加速

世界の人口はどんどんと増えており、2015年に73億人だった人口は、2050年には97億人になると予想されています。そうなると、食料がたくさん必要になりますが、多くの人の需要に応えるためには、安定して食料を供給しつづけなくてはいけません。そこで、近年、持続可能な農業へのシフトが加速しています。持続可能な農業は環境への負荷を減らすだけでなく、気候変動の影響を受けにくい農業を実現するための重要な手段でもあります。そのため、再生可能エネルギーを利用した農業システムや、炭素排出量を削減する農法が注目を集めています。

技術の進歩による農業の変革

人工知能(AI)、ビッグデータ、IoT(モノのインターネット)などの技術が農業に導入され、収穫量の最適化、資源の効率的な利用、病虫害対策などに大きく貢献しています。

課題はあるが急成長を遂げる可能性も高いのが農業

農業は生産コストの上昇、適正価格での販売の必要性、消費者の理解の促進など、多くの課題があります。また、新規就農者にとっては、作物の栽培計画の支援や災害対策についての教育機会、補助金の提供といった、農業を始めたばかりの人がつまずきやすいポイントでのサポートも必要です。

農業に携わることのメリット・デメリットを知りたい

農家になるという選択にはどのような利点があり、どういった挑戦に直面するものなのでしょうか。ここでは、農業に携わることのメリット・デメリットについてご紹介します。

メリット デメリット
・自分の裁量(責任)で仕事ができる
・収入に上限はない
・健康的なライフスタイルになる
・収入が不安定
・肉体労働が大変

農業に携わるメリット

農業に携わるメリットは、主に以下の3点です。

  • 自分の裁量(責任)で仕事ができる
  • 収入に上限はない
  • 健康的なライフスタイルになる

農家は基本的に個人事業であり、個人の裁量で働き方が大きく左右される職業です。働く時間や育てる作物、商品の販売方法などを自由に決められます。自由には責任が伴いますが、農家は誰かの指示ではなく、自分のやりたいことに従って仕事ができます。

また、農家には収入の上限がほぼ存在しません。サラリーマンの年収の上限は一般的に2,000万円程度と言われていますが、農家は努力と戦略次第で収入を大幅に増やすチャンスがあります。

加えて、農業は身体面・精神面の両方での健康を維持しやすい環境です。なぜなら、農業は日の出とともに始まり日没とともに終わる仕事だからです。深夜の残業が必要な状況はほとんど発生しません。農作業は早寝早起きの習慣を身につけることに繋がり、規則正しい生活リズムが作れるでしょう。規則正しい生活を送ることで、健康的な体が手に入ります。

農業に携わるデメリット

農家になるデメリットは、主に以下の2点です。

  • 収入が不安定
  • 肉体労働が大変

農業は、いわば成功報酬型の個人事業です。作物を収穫して販売することで利益がでます。不作になれば、当然収入は下がります。一方、豊作になりすぎると、今度は需要と供給のバランスが崩れてしまい、農作物の価格が下がる「豊作貧乏 」と呼ばれる状態になることがあります。不作でも豊作でも常に収入が不安定になる可能性があるという点が、農業の大きなデメリットでしょう。
また、生産量は天候や自然災害といった予測不可能な要因に大きく左右されますし、作物が病虫害の被害にあうリスクもあります。農家はこのような予測が難しい問題に対する準備と工夫を常に心がけなければいけません。作物を順調に育て、適正価格で販売できるよう戦略を立てておくことが大切です。

農業は、農作物を育てて収穫するという性質上、肉体労働が多い職業です。特に播種期(植物の種を蒔く期間)や収穫期といった忙しい時期には、休みなく働かなければならないという過酷な労働状態になるケースもあります。機械を使って作業を進めることができる部分もありますが、繊細な作業であったりコストが高額だったりするため、今なお多くの作業が人の手で行われているのが現状です。農業に従事したいと考える方は、早い段階から健康と体力の向上を目指して、自己管理を始めておきましょう。加えて、手作業を機械化するためのアイデアや情報をキャッチするようにしておくことも大切です。

農業は若手や女性も活躍できる!

日本の農業は、さまざまな課題を抱えているのが現状です。その中でも、特に「担い手不足」は深刻な課題として挙げられます。
一方で、若手や女性が活躍する機会が確実に増えてきているのも事実です。

現代の農業は、伝統的な方法にとどまらず、デジタル技術や新しいビジネス方法を取り入れることによって、これまでとは違う多様なアプローチが進んでいます。そこで必要となるのが、新しい視点やいろいろなスキルを持つ若手や女性です。

農業全体の課題「担い手不足」はチャンスにもなる

前述のとおり、農業全体が抱える深刻な課題は、高齢化や後継者不足による「担い手不足」です。農家の平均年齢は高いですし、農家を辞める人よりも新しく始める人の方が少ないため、人手が足りていません。「農家は儲からない」「農家はきつい」といったイメージが広まってしまっているため、なかなか新しい担い手が増えないのです。

しかし、こうした課題の存在が、農業という分野で新しいチャンスを生み出しているという側面もあります。49歳以下の若手農家や女性は、従来の農業とは異なる視点や考え方、スキルを持っています。そのため、新しい技術を積極的に取り入れたり、インターネットを活用した販売を行ったりといったことを実践し、人手不足を解消する方法を実践しながら、これまでとは違う農家の在り方を確立しようとしています。
つまり、これから農家を目指す人にとっては、作物を作る喜びだけでなく、より農家が豊かになる取り組みを始めやすいということです。自分のアイデアを活かすチャンスが大いにあると言えるでしょう。

若手や女性の活躍は着実に増えている

担い手不足解消という挑戦を背景に、農業の分野では若手や女性が重要な役割を担いはじめており、革新的な変化をもたらしつつあります。

例えば、スマート農業の普及とその高度な活用を目指す動きは、若手農家を中心に広がっています。
農林水産省の「令和4年度 食料・農業・農村白書 第8節」によれば、データを活用して農業を行っている農業者の割合は48.6%と、前年より12.2ポイントも増加。デジタル技術が農業にも浸透していることが表れています。
農林水産省も、データを活用するスキルやスマート農業の技術・ノウハウの指導を行って「スマート農業に取り組みたい」と感じる生産者や産地をサポートし、積極的にスマート農業の普及を推進 しています。そのため、スマート農業について学んでおけば、農家になった際に即戦力として働くことができるでしょう。

女性も農業経営において一定の役割を果たしています。「令和4年度 食料・農業・農村白書 第2節」によれば、女性が経営主となっている個人農業経営体(法人ではない個人や家族農家)は全体の6.2%。経営主が男性であっても経営方針の決定に女性が大きく関わっているケースは25.9%で、女性が経営に関わっている割合は32.1%となっています。
一般企業では、女性管理職の割合は平均9.8%です。そう考えると、農業は女性が活躍しやすい環境がより整っており、率先して周りを引っ張っていける働き方がしやすいと言えます。

また、公益社団法人 日本農業法人協会では、女性が農業経営において先進的な取り組みすることを奨励しています。模範となる経営体を「農業の未来をつくる女性活躍経営体100選(WAP100)」として表彰。このように、農業全体でも女性の積極的な参入を受け入れているという動きがあります。

紹介したように、近年では経験の有無や年齢・性別に関わらず、より多くの人々が農業の仕事でリーダーシップを取る動きが加速。日本の農業が持つ課題に対処するために、多様性と革新性は今後さらに重視されていくでしょう。

以上のように、農業は成長が期待できる分野です。仙台医健・スポーツ専門学校の「アグリテックマネジメントコース」「オーガニック&健康美コース」では、伝統的な農業だけでなく、商品開発やスマート農業の知識、マーケティングなどの幅広いスキルを学べるカリキュラムをご用意しています。若手農家が取り組みたいと考えているさまざまなことを、講師からしっかりと学べるのが特徴です。

アグリテックマネジメントコースは、食材の生産から調理、流通・販売までを一貫して担える人材を目指せるコース内容です。IT・テクノロジーを活用した効率的な生産方法や食材の美味しい調理・加工技術、製品の流通や販売についても学びます。
CVポイント:https://www.sendai-iken.ac.jp/culinary/course/smart_agriculture/

オーガニック&健康美コースでは、食材に関する知識や栄養・健康、調理・加工、美容について学び、農業を通して食料・環境問題や地域創生、観光ビジネスに関わる人材を育成します。食材の栽培や調理、加工技術の習得だけでなく、安心・安全な商品開発にもチャレンジ可能です。
CVポイント:https://www.sendai-iken.ac.jp/culinary/course/healthybeauty/

まとめ

農業の魅力は、種を植えて成長を見守り、収穫するという「ものづくり」の喜びにあります。農業には人間にとって根本的なやりがいが味わえると同時に、どんどん変革が進んでおり、次世代にとっては大きな可能性が広がっている分野です。

農業は、担い手不足を始めとするいくつかの深刻な課題に直面しているものの、将来は決して暗いものではありません。若い世代や女性の農家が新しく参入し、新しい栽培方法や従来とは異なるマーケティング手法を取り入れ、農業の在り方を変えているからです。また、担い手が少ないというのは、言い換えれば農業を始めやすいチャンスでもあると知っておきましょう。

仙台医健・スポーツ専門学校では、そんな農業に関する仕事に興味を持つ方々へ幅広い知識と技術を教えています。学びを得る中で、農業を始めるイメージが固まり、自身の進路を築くことができるでしょう。

当校では定期的にオープンキャンパスを実施中です。実際の授業風景を見たり、在校生や教員と交流したりすることで、学校生活を体験することができます。将来は農家として働きたい・仙台医健・スポーツ専門学校に興味があるという方は、ぜひオープンキャンパスへご参加ください。ご応募おまちしております!
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