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SDGsや環境に関わる仕事について、職種や事例などを紹介


SDGs(持続可能な開発目標)という言葉自体は高校生にも広く知られるようになってきましたが、SDGsに関わる仕事はどのようなものがあるのでしょうか?環境に対する影響を最小限に抑えつつ、持続可能な社会を実現するためのさまざまな仕事について紹介します。

まずは知りたい!SDGsとは何?

SDGsは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略で、国際的な目標です。これは2015年に国連の加盟国(当時193ヵ国)が採択したもので、17の目標と169の詳細な目標からなり、地球上の全ての人々と環境の調和を目指すとともに、経済的、社会的な発展を持続可能な形で進めていくことを掲げています。 それでは、具体的に17の目標をご紹介しますが、おそらく文字だけ見てもなかなか自分の生活や将来にどう活かせばいいのか分からないでしょう。なので、まずこの段落では、「こんな17の目標があるんだな」くらいに捉えて、読んでみてください。

  1. 「貧困をなくそう」:経済的な困難にあえぐ人々を支援、仕組みづくりをし、世界中の極度に貧しい暮らしをしている人をなくすことを目指しています。
  2. 「飢餓をゼロに」:全世界の飢餓を根絶し、すべての人々が安全で栄養のある食料を得られるようにすることを目指しています。
  3. 「すべての人に健康と福祉を」:健康と福祉を向上させ、人々が健康的な生活を送れるようにすることを目指しています。
  4. 「質の高い教育をみんなに」:公平で質の高い教育を全ての子どもたちに提供し、ライフスキルを身につけ、個々の潜在能力を引き出すことを目指しています。
  5. 「ジェンダー平等を実現しよう」:男女間の不平等を解消し、全ての女性と少女の権利を保護し、機会均等を促進することを目指しています。
  6. 「安全な水とトイレを世界中に」:全ての人々が安全で手頃な価格の飲料水と衛生施設にアクセスできるようにすることを目指しています。
  7. 「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」:全ての人々に安定的で手頃な価格のエネルギーを提供し、再生可能エネルギーの利用を促進することを目指しています。
  8. 「働きがいも経済成長も」:全ての人々に労働の機会を提供し、持続可能な経済成長を推進すること、子どもの労働の禁止を目指しています。
  9. 「産業と技術革新の基盤をつくろう」:持続可能な産業と技術革新を推進し、経済成長と人々の生活の向上を目指しています。
  10. 「人や国の不平等をなくそう」:国内外の不平等を解消し、特に貧困層や弱者の権利と機会の改善を目指しています。
  11. 「住み続けられるまちづくりを」:安全で包括的な都市と居住地を実現し、持続可能な都市開発を推進することを目指しています。
  12. 「つくる責任 つかう責任」:持続可能な消費や生産を行い、自然環境を守ることを目指しています。
  13. 「気候変動に具体的な対策を」:気候変動の影響を軽減し、持続可能な開発を促進するための具体的な行動を進めることを目指しています。
  14. 「海の豊かさを守ろう」:海洋と水産資源を保全し、持続的な管理や保護をすることを目指しています。
  15. 「陸の豊かさも守ろう」:陸上の生態系や森林を保全し、砂漠化を防止して生物多様性損失を阻止することを目指しています。
  16. 「平和と公正をすべての人に」:平和で法律的にものごとを取り扱う社会を築き上げ、すべての人の公正な扱いと権利の保護を目指しています。
  17. 「パートナーシップで目標を達成しよう」:持続可能な開発目標を達成するためのグローバルなパートナーシップを強化することを目指しています。

SDGsに関連する職種について

前の段落での17の目標は自分の生活に置き換えるには、少し難しい内容だったかもしれません。これらの目標を解決するためには様々な方法があります。その中でも、直接的にSDGsに貢献できる職や間接的ですが実は密接に関わっている職もあります。以下でそれらの職種についてご紹介していきます。

・コンサルタント
企業がSDGsに取り組んでいくための支援を行う職業です。SDGs達成に向けた具体的な取り組みを提案する役割を持ちます。各企業の経営者と一緒になって何をすべきか、どのような取り組みを行うことで17の目標を達成したり、社会に貢献できるかを考えたりして実行していく仕事です。

・経営企画、事業戦略
SDGsと企業のビジネスモデルを融合させる仕事です。経営企画や事業戦略をする人は、その企業に属していることが多いので、自分たちの会社ががSDGs達成に向けて取り組めるような方針を計画します。また、会社内の様々な人と協力し、会社全体でSDGsに関する理解を深める活動も重要な業務の一部となります。

・管理部門(総務・労務・人事、サスティナビリティ推進本部等)
管理部門の一部である総務・労務・人事部門やサスティナビリティ推進本部では、企業内部の制度やルールを整備し、従業員がSDGsに対する理解を深める手助けや、多様な働き方ができる環境を整備します。社内のSDGs推進体制の構築、教育・研修の企画・実施、従業員の働きやすい環境づくりなどが主な業務となります。

・DX推進
DX(デジタルトランスフォーメーション)推進は、デジタル技術を活用して企業活動を効率化し、新たな価値を生み出す役割を果たします。SDGs達成には、情報の可視化や効率的なリソースの活用、省エネルギーなど、デジタル技術の活用が不可欠です。DX推進担当者は、これらの技術を導入・適用し、企業がSDGs達成に貢献できるよう支援します。

SDGsに携わることができる事業について


国際社会全体が取り組むべき17の目標は、地球規模での課題を扱っており、私たち一人ひとりだけでなく企業もまたそれぞれの事業を通じてSDGsの達成に貢献することが期待されています。特に、再生可能エネルギー事業、一次産業や食品事業、インフラやプラントエンジニアリング事業などは、その具体的な取り組みを通じて、SDGsの目標達成に大きく貢献することができる領域となっています。
・一次産業や食品事業
一次産業や食品事業もまた、SDGsの達成に重要な役割を果たします。これらの事業は、持続可能な農業の実践や食品ロスの削減、適切な食品供給を通じて、飢餓の撲滅や持続可能な生産・消費の促進に関係しています。特に、有機農業や循環型農業などは、地球の自然環境を守りながら持続可能な食料生産を実現することが可能です。

・リユース、再生可能エネルギー事業
リユースと再生可能エネルギー事業は、SDGsの中でも特にエネルギー利用と廃棄物問題に関わる目標達成に関係します。リユース事業は、商品の再利用やリサイクルを通じて、資源の無駄使いを減らし、廃棄物の量も削減します。また、再生可能エネルギー事業では、太陽光や風力などの自然エネルギーを利用して、環境負荷の低いエネルギー供給を行います。これらの事業は、気候変動の対策と資源の有効活用を両立させることで、持続可能な社会の実現に貢献する事業です。
・インフラ、プラントエンジニアリング事業
「安全な水とトイレを世界中に」、「産業と技術革新の基盤を作ろう」という目標がSDGsの中に掲げられています。世界ではまだまだ技術格差があり、多くの国や業界で基盤インフラと産業の建設が求められています。これを解決するのがインフラ・プラントエンジニアリング事業です。国や業界間の障壁を超え、インフラ計画から現場の作業、工場のシステム設計、開発、機械の保守メンテナンスに至るまでの一連の業務を行います。

一般企業でもSDGsに関われる

SDGsへの貢献は、専門的な業界や職種だけでなく、一般企業に就職していても十分可能です。各々の立場から見える課題を解決するための行動が、大きな社会貢献につながります。具体的にはどのような仕事でSDGsに関わることができるのでしょうか。例にあげて考えてみましょう。

・環境系のライター
SDGsの理解と普及には、情報の発信が欠かせません。環境問題に特化したライターは、企業のWebサイトコンテンツやブログを通じてSDGsの目標や取り組みについて多くの人に知ってもらうという活動が可能です。報道や啓発活動を通じて、読者の意識を高め、社会全体の動きを後押しすることが期待されています。

・教育機関・公的機関・NGO・NPOなど
これらの組織では、教育プログラムの提供、政策の推進、地域コミュニティへの支援など、多岐にわたる活動を通じてSDGsに貢献します。具体的には、教育の普及、貧困層への支援、公平な社会の実現などの取り組みが行われています。

SDGsの取り組みと企業の役割

ここでは、各企業が持続可能な開発目標(SDGs)にどのように取り組んでいるかの具体的な事例を紹介します。具体的な事例を通して、SDGsと職業の接点について理解を深め、将来の職業について考えるための参考にしてみてください。

NEC

子どもたちの健康維持のためにチリの学校給食プログラムに参入し、指紋認証を活用した給食配給管理システムを導入しました。また、AIを使った食料の需給最適化プラットフォームを導入し、食品ロスや廃棄物を削減する取り組みも行っています。さらに、ケニアの母子保健医療情報の整備にも取り組み、生態認証を用いた電子母子手帳を導入し、母子の健康や安全に貢献しています。これらの取り組みは全て、NECが持つ技術を活かしたものです。

セブン&アイ・ホールディングス

オリジナル商品の消費期限の延長やフードバンク団体への寄付、販売期限が近づきた商品にポイントを付与するなど様々な取り組みを行なっています。また開示されている目標として、「食品リサイクル率を2030年に70%、2050年に100%にすること、食品廃棄物量(売上100万円あたりの発生量)を2013年度と比較して2030年50%削減、2050年75%削減する」ということを掲げプロジェクトを進めています。
(引用:https://www.7andi.com/sustainability/theme/theme3/recycle.html)

ニチレイ

賞味期限の年月表示化や先に仕入れた商品の賞味期限より、賞味期限が前になる商品は仕入れない、賞味期限自体の延長などをを行うことにより長く食品を提供できる工夫をしています。また商品が店舗に運ばれるまでの過程でも、加工や運送で工夫することにより、食品を早く提供できる仕組みも構築しています。
(引用:https://www.nichirei.co.jp/food_loss/)

SDGsから考える身近な問題「食品ロス」

SDGsに関連する職種や企業、事業について紹介してきましたが、幅が広く、そして規模が大きいためイメージが湧きづらいかもしれません。私たちに身近な問題と紐づけながら改めてSDGsの取り組みについて考えていきましょう。
SDGsの17の目標のうち、2番「飢餓をゼロに」と12番「つくる責任 つかう責任」に該当する食品ロスの問題があることを皆さんはご存知でしょうか。食品ロスとは、本来食べられるはずの食品が廃棄されることです。例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • 生産段階で規格外品として廃棄されるもの
  • 流通段階で売れ残ったり、賞味期限切れとなったりしたもの
  • 消費段階で食べ残されたもの

食品ロスは、世界中で大きな問題となっていて、日本では年間約523万トンの食品ロスが発生していると推定されています。これは、国民一人当たりに換算すると、お茶碗一杯分(約114g)の食品が毎日捨てられていることになります。食料の浪費は、世界中で飢餓に苦しむ人々がいることを考えると、とても勿体ないことです。また、食品ロスは、生産や加工、輸送、調理などの過程で発生する二酸化炭素などの温室効果ガスを排出するため、地球温暖化の原因にもなっています。さらに、食品ロスの処理にはコストがかかるため、経済損失にもつながります。食品ロスは、食料の浪費や環境汚染、経済損失の問題を引き起こしていることが言えます。
食品ロスを削減するためには、私たち一人一人の意識や行動が大切です。食べ物を大切にすることや、食べ残しを減らすことが、食品ロス削減につながります。

仙台医健・スポーツ専門学校のコースについて

SDGs分野に貢献できる事業や職種は多くあり、一般企業でも社会貢献が可能であることが分かりました。前項で解説した「食品ロス」に関しては、食や農業に関わる仕事として以下の職種が挙げられます。

  • 農業/漁業/養殖業
  • 食品加工/流通/販売業
  • 食育/栄養学

食や農業に関わる仕事は、私たちの食生活と地球環境の両方に貢献できる、やりがいのある仕事です。ぜひ、食や農業に関わる仕事に興味を持っていただき、将来の進路を考える際に選択肢の一つとして検討してみてください。仙台医健・スポーツ専門学校では食や農業について学べるコースをご用意しています。

アグリテックマネジメントコース

アグリテックマネジメントコースでは、農業に関連するITやテクノロジーの活用、食材の調理法、製品の流通や販売についての知識を深めます。このコースを修了すると、農作物の生産者、農業ITコンサルタント、水耕栽培に従事する者、スマート農業のプロフェッショナル、観光農園のスタッフ、農場レストランの経営者、農業関連企業の社員、農体験の企画者など、多種多様な職業を目指せます。
ここでは、農業の生産から販売までを一貫して理解することで、多面的な産業の中で活躍できる知識を身につけることが可能です。
https://www.sendai-iken.ac.jp/culinary/course/smart_agriculture/

オーガニック&健康美コース

オーガニック&健康美コースでは、農業、食品、健康、テクノロジーを一体化した観点から、食環境問題や地域創生、観光ビジネスに挑戦する人材を養成します。このコースでは、ファームカフェのスタッフ、フードコーディネーター、健康や美容メニューの開発者、健康食品開発者、農作物生産者、農業関連企業のスタッフなど、幅広い職業に対応することができます。
ここでは、食材に対する深い理解や、栄養学、調理法、美容について学ぶことで、お客様に健康を提供する力を養成します。また、食材の栽培や調理、加工技術を学び、安心して消費できる商品開発にも力を注ぎます。
https://www.sendai-iken.ac.jp/culinary/course/healthybeauty/

仙台医健・スポーツ専門学校では、SDGsの分野に関心を持つ方が、専門的な知識と技術を習得しながら自己のキャリアパスを作り上げることができます。興味を持っていただいた方は、オープンキャンパスに参加して学校の雰囲気や各種イベントを通じ、自身の可能性を探してみてください。
https://www.sendai-iken.ac.jp/event/culinary_index.html

その他の分野に興味のある方へ

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