仙台医健専・スポーツ専門学校

スペシャルインタビュー

ラグビートップリーグ
S&Cコーチ編

鳴尾健さん
なるけんさん
RICOH Black Rams
(株式会社リコー)
S&Cコーチ
京都府立鴨沂高等学校 出身
2013年3月京都医健専門学校 卒業

選手を支えるために、
トレーナーの知識や技術が必要
テクノロジーを扱う能力は、
今後ますます求められる

すべては試合のために。 データが物語るのはチーム勝利への布石

ラグビーのトップリーグに所属するリコーブラックラムズでは、選手のパフォーマンス向上や体調管理のために様々なテクノロジーを導入しています。試合中の動作解析や試合分析はもちろんのこと、練習時におけるトレーニング評価の一環でもテクノロジーの活用はチームとして欠かすことができません。なかでも私は、フィールドやジムトレーニングでの指導や補助、GPS分析、コンディショニングチェックを主に行なっています。ラグビーは、選手の年齢の違いやポジションによっても体格も違うため、各選手に合わせたトレーニングのアプローチが必要となります。50名近くの選手を、私を含めた2名のストレングス&コンディショニング(以下、S&C)コーチでトレーニングを指導しています。

選手ごとにGPS を装着し、選手が練習中に動いた距離の総計や、秒速にしてどの程度のスピードで走ることができているか、瞬発力にあたる最高速度を計測しています。計測には、GPSのほか、GymAware(ジムアウェア)という計測システムを用いることで、トレーニング中のすべてのデータを数値化できるため、パフォーマンスを判断する手段として大いに活用しています。選手にとって、その日のトレーニングが有効であったのか、適切な強度で行うことができていたのかなど、数的根拠をもって練習内容や選手を評価し、次の練習や試合につなげています。

また、GPS が示す数値は、ポジションにより異なります。選手は1試合で平均して4000~5000m、多い選手になると7000m 程度を走ります。距離やスピードを総合的に計測し、その中で切り返しの回数やトップスピードの妥当性や適正を評価します。これらテクノロジーを用いたトレーニングはすべて、試合の勝利のために行なっています。その今行なっている練習が成功しているのかどうかを数値で判断できる点で、大きな後ろ楯となっています。

また、そういった技術やシステムを用いることは、選手にトレーニング目標を可視化して提示することができるだけでなく、コーチに練習の強度などを数値化して提示できるため、チームとしてコミュニケーションを取りやすくしてくれる一つのツールでもあります。

選手の能力を引き上げる仕事をしたい だから、コーチやトレーナーとして活躍する道を選んだ
選手の能力を引き上げる仕事をしたい だから、コーチやトレーナーとして 活躍する道を選んだ

高校時代はラグビー部に所属し、部活動に一生懸命でした。進路や将来の仕事を考えた時に、デスクワークをしている自分がどうも想像できませんでした。そこから、これまで培ってきたラグビーの経験を活かして、スポーツに関わる仕事に就きたいと思うようになりました。

高校時代のラグビー部では、チームにトレーナーはいませんでしたが、もしトレーナーがいてくれたら、“自分はもっといい選手になれたのかもしれない”。そう考えていると、選手の「もっと早く走りたい」「技術を向上させて、チームに貢献したい」という想いをサポートしたいと思い、アスレティックトレーナーの資格取得をめざし、自宅からも通いやすかった京都医健専門学校への進学を選びました。

卒業後、あるご縁から大学生のラグビーチームを指導する機会をいただきました。そこで、自身の強みとしてリハビリだけでなく、トレーニングにも携わることのできる指導者になりたいと考えるようになりました。ラグビーにおけるアスレティックトレーナーは、メディカルチームといってケガをした選手のリハビリを担う仕事。一方で、S&Cコーチは基本的に試合や練習で活躍できるように選手のコンディションを維持・向上させる仕事です。トップリーグ所属のラグビーチームでは、アスレティックトレーナーとS&Cコーチが分業されていて、求人募集でも職種は分かれていました。

ラグビーは特にケガの多いコンタクトスポーツで、将来ラグビーチームでどちらの仕事をやりたいかを考えた時に、選手のパフォーマンスを上げられるような仕事がしたいと思ったことがS&Cコーチに興味を持った大きな理由です。
そして、念願のラグビーチームへの道が開けたのは、今までのお仕事でつながりのあったトレーナーからの紹介がきっかけでした。トレーナー同士のネットワークがあり、コミュニケーションの機会を大切に活動をしてきました。トップチームの求人募集は一般の就職情報のように出回ることがないので、このチャンスを掴むことができてとても嬉しかったのを今でもはっきり覚えています。

京都医健での学びはすべて、現在の仕事の基礎となっています。解剖学という身体の基礎の勉強から、それを応用した実践まで、役立つことは多くあります。そういった基礎をしっかりと学び、選手をどう評価し、何を見ていけばいいのか、その考え方を学んだ2年間でもありました。アスレティックトレーナーの資格を持っていることで、リハビリの知識を持ったトレーニング指導ができるトレーナーであるということは自分自身の強みであり、京都医健で学んだ時間があってこそ、今の仕事に活かされていると思います。

人の身体を相手とする仕事だから 難しいこともあるが、乗り越えることが楽しい

以前、大学生のチームを指導していた際、自分が指導したトレーニングによって前年よりも故障者リストの人数を減らすことができました。結果として、選手たちも練習を続けることができ、チームの成績が良くなったことがありました。この経験を通じて、チームの成長を近くで感じ、自分の技術や判断で向上していくチームの姿を目の当たりにしました。
チームが勝利するということは、選手と同じくらいに喜びを感じることができ、これこそがS&Cコーチやトレーナーの醍醐味だと思います。

コーチやトレーナーという仕事は、人の身体を相手にする仕事ですので、時には上手くいかないこともありますが、その過程を工夫し、例えば新たなテクノロジーを利用して選手の能力を最大限に引き出すなど、考えることが楽しく思える魅力的な仕事です。今後、このスポーツ業界で経験をより一層積んで、どのチームに行っても、この分野で絶対的な信頼を得られる存在になり、選手同様にチームの勝利のために先頭に立って貢献していくことを目標に掲げています。

そして、技術や知識と同様に、コミュニケーションを取ることも自分の目標を手繰り寄せる重要な要素だと思います。私のように、周りの人にラグビーチームのS&Cコーチを「やりたい」「なりたい」ということを伝えるのは大切なことです。私自身、リコーブラックラムズで現在コーチを務めていられるのも、その声を拾ってくださった方の紹介で、チャンスを得て入ることができました。こういったチャンスがいつ来るかは、誰にもわかりません。チャンスが来た時にしっかり掴めるように、日頃からたくさんの方とコミュニケーションを取り、トレーニングを学び、新たな知識・技術の習得など、その準備をしておくことが大切だと思います。
これからスポーツ業界をめざす方は、スポーツの基礎的な技術・知識だけでなく、テクノロジーをうまく活用できる能力も必要になります。学ぶだけではなく、ぜひ新たなことへもチャレンジしていく姿勢で、この業界へ飛び込んできてください。

RICOH Black Rams(リコーブラックラムズ)
RICOH Black Rams(リコーブラックラムズ)
株式会社リコーのクラブチームとして創部し、日本選手権優勝2回、全国社会人大会優勝3回を誇る。チームカラーが歴史と伝統のシンボル、黒であることから、「和製オールブラックス」の異名を持つ。ラグビートップリーグでは、チームの勝利のために、選手・スタッフ全員が決して妥協することなく、「4強の一角」を担い、常に “リコー=優勝候補“ としての実力・評価が確立されたチームをめざし、近年では上位進出を狙えるチームへと成長している。

サッカーJリーグチーム
運営編

馬場 樹耶 さん
樹耶みやきさん
株式会社岐阜フットボールクラブ
(FC岐阜)
運営担当
岐阜県 関市立関商工高等学校 出身
2017年3月
名古屋医健スポーツ専門学校 卒業

クラブチーム運営は、
選手だけではなく
総合力で強いチームを
目指す
ということ

チームだけでなく、チームを支える全体から信頼されること それが、チーム運営担当の重要な務め
チームだけでなく、チームを支える 全体から信頼されること それが、チーム運営担当の重要な務め

株式会社岐阜フットボールクラブへの入社後2年間は、主にグッズに関する業務を担い、商品の企画や試合当日のグッズショップ運営を行うほか、地域の方に向けて「FC岐阜」をPRするホームタウン活動も行っていました。自分で考えた案が商品として形になることもあり、やりがいのある仕事でした。

現在は、試合当日の運営や試合日までの準備を行う運営担当業務を任されており、チームでも中心に位置している重要なポジションの1つだと考えております。運営担当の役割は、安心・安全なスタジアムを創り出すことで、会社が掲げる1つ目のミッション「スタジアムを満員にし、岐阜で一番のスポーツエンターテインメント空間を創出する」ことでもあるため、日々重責を感じながら業務に取り組んでいます。

業務は、屋台業者の管理・調整、ボランティアスタッフの管理・監督、当日のピッチ内での競技運営です。FC岐阜の屋台はJリーグの中でも満足度ランキングで1位を獲得しており、チームとしても力を入れています。1試合あたりに出店する20店舗前後を、試合ごとに取りまとめ、当日までの案内や準備を行っています。

ボランティアの管理に関する業務では、1試合あたり20~30名のボランティアの方に、当日配布するマッチデープログラムの準備、業務内容のミーティング、当日の配置などについて指示をしています。長くボランティアをされている方もいれば初めての方まで、様々な方に参加いただいています。

競技運営に関する業務では、事前準備としてボールパーソンや担架スタッフの募集、各ブースで必要な人員の手配を行っています。試合中は選手交代やロスタイムなどの試合情報を記録係やビジョン管理係、スタジアムDJに対して、自分が発信源となって全体に伝えています。また、悪天候の場合の試合実施の判断についても、重要なポジションとして伝達を行っており、イレギュラーなケースにも対応できるよう常々準備をしています。

運営担当として、このような準備と当日のスムーズな進行を調整することが主な業務のため、試合に来ていただいた観客のお客様に「今日は来て良かった」「楽しかった」と言っていただけると達成感を感じます。試合に勝つことはもちろん、負けた試合でもそのほかのイベントで満足していただけるよう、日々心がけています。

新型コロナウイルスの影響により、来場者が大きく減少した異例のシーズン中は、感染対策を徹底して行い、スタジアム来場による感染リスクを少しでも軽減させることを第一に心がけて準備をしてきました。運営担当は、試合日の全体への指示だけでなく、警備や屋台業者・ファンクラブ・ボランティアなどクラブ外の団体と連携することも多くあるため、関わるすべてのスタッフに信頼され続けるように私自身がリーダーシップを執っていきたいと思い、日々業務に取り組んでいます。

医健での現場実習が 地元を盛り上げたいという夢に近づけてくれた
医健での現場実習が 地元を盛り上げたいという 夢に近づけてくれた

以前よりスポーツ業界には興味がありましたが、今の仕事に興味を持ったのは高校生の時でした。サッカー部で選手として活躍しながらも、チームの環境を整えていく役割に興味がありました。そんな中、医健で当時、ほかの専門学校にはない「スポーツビジネスコース」の新設を知り、チームを支える裏方の仕事について学びたい一心で入学しました。

入学後、最も印象に残っているのがプロバスケットボールチームでの実習です。プロスポーツチームの試合の準備から当日の運営、片付けまで、現場の方々と一緒にさせていただくというのは、大変貴重な機会でした。

入学後、最も印象に残っているのがプロバスケットボールチームでの実習です。プロスポーツチームの試合の準備から当日の運営、片付けまで、現場の方々と一緒にさせていただくというのは、大変貴重な機会でした。

その経験を通じて、多くの人が関わって試合が開催できていることを、身をもって体感し、普段の授業とは違った角度で多くのことを学ぶことができました。仕事をしている今振り返っても、学生の時に現場の雰囲気や流れなど選手を支える仕事を実際に生で感じられたことは、とても貴重な経験だったと思います。

実習中、特に印象に残っているのはチーム運営担当の方の業務量の多さです。しかし、それ以上にチームが作り出す会場の雰囲気や一体感をみて、自分自身もチームの勝利をお客様と一緒に分かち合える場を作りたいと、より強く思うようになりました。そして、就職活動をする中で、地元である岐阜県のスポーツ業界・スポーツチームを盛り上げていきたいという想いから、現在の仕事に就きました。

スタジアム観戦だけでない、 スポーツの新しい可能性を増やすアイデアが求められる
スタジアム観戦だけでない、 スポーツの新しい可能性を増やす アイデアが求められる

これまでになかった新しい取り組みとして、同部署のイベント企画担当者が主導し、選手自身が内容を考えて行うYouTubeでのライブ配信を始めました。Jリーグのクラブとして配信を行うことで、サポーターのみならず、一般の方からも大きな反響がありました。ほかにもファンクラブ会員向けの配信も行うなど、より幅広い情報を届けています。また、Jリーグのチームとして初めて公式Vtuber事業を立ち上げ、「蹴球 夢(しゅうきゅう ゆめ)」というキャラクターを使い、配信を行っています。Vtuberには数社のスポンサー様がついており、営業と広報とが連携しながら、イベント情報や試合のハイライト・選手インタビューを中心に配信しています。

さらに今までは管理することが難しかったチケット購入者の情報が「JリーグID」を取得することでチケットの購入履歴や来場履歴などを把握できるようになりました。顧客情報を増やすことで、ターゲットを絞り、顧客に適した情報の配信を行うことができ、集客増加につながっています。

ほかにも、Jリーグで初めてフットゴルフのチームを立ち上げ、チームの活動を通して地域貢献を行うなど、スポーツとの接点をできる限り増やすための企画力やアイデアがスポーツビジネスの現場で求められています。また、現在は外国人のファンの方・選手と接する機会や英語で情報発信を求められる場面も増えてきているため、スポーツ現場にも英語力は必要になってくると思います。

仙台医健でスポーツ業界の
最先端を学ぼう。